Amazon S3の代替になり得る格安ストレージ wasabi

近年、Amazon S3 や Google Cloud Storage などクラウドストレージは、サービスを構築する上で欠かせない存在となっています。個人的にはHDDが家にゴロゴロ転がっているので、バックアップのために利用したいと思っていますが、例えば1TBのデータを保存しようとすると、Amazon S3で $25/月になります。これで貴重なデータが保証されるのであれば安いものですが、中にはそこまで重要度の高くないものもあります。もっと安く済ませることができれば、これ以上のバックアップツールはありません。

無制限ストレージは過去のもの

以前は、Amazon Unlimited ストレージプランや box などストレージ容量が無制限のサービスがいくつかありましたが、ことごとくサービス廃止や制限がつくなど縮小されてしまいました。Google Driveは容量無制限のプラン「Business」がありますが、5ユーザ以上からということもあり最低料金でも6,800円/月となります。ビジネスでは素晴らしいサービスだと思いますが、個人利用としては高い印象を持ってしまいます。

wasabi

そこで今日紹介したいのは wasabi というクラウドストレージサービスです。 気になる料金は、1TBあたり$5.99/月です。ついにここまで来たかと思う料金設定です。ただし注意しないといけないのは、最低利用が1TBからなので、1TBに満たないデータを保存していても$5.99/月は必要になります。ITBを超えた容量に関しては、1GBあたり$0.00599/月となります。 Amazon S3であれば転送量に対する課金も発生しますが、このwasabiでは転送量に対しての課金が発生しません。つまり毎日ダウンロードしても追加料金が発生しないということですね。 またストレージを配置できるリージョンですが、現在次の3箇所となります。
  • us-west-1
  • us-east-1
  • eu-central-1
日本から最も近いところだとus-west-1でしょう。1GBのファイルを転送していると、40MB/sの速度が出ていたので許容範囲です。

私の使い方

クラウドストレージの利用方法は人によって異なると思いますが、私はこのwasagiをネットワークドライブとして利用しています。wasabiのベースはAmazon S3ですので、Amazon S3をネットワークドライブにする方法と同じです。具体的には Cyberduck でお馴染みの Mountain Duck を使っています。その設定方法を紹介します。

バケットの作成

wasabi のコンソール画面右上にある「CREATE BUCKET」をクリックします。 バケット名は「gb-test」としました。バケットを作るときに注意しなければいけないのはリージョンのみです。ここでは日本から最も近い「us-west-1」を選択しました。あとはデフォルトのままウィザードを進めましょう。

APIキーの取得

wasabi のコンソール画面左上にある「メニュー」をクリックし、左から「Access Keys」を選択、そして「CREATE NEW ACCESS KEY」をクリックしましょう。 ここで表示されている「Access Key」と「Secret Key」をメモしておきましょう。

Mountain Duckの設定

Mountain DuckのPreferencesの「S3」タブを選択します。そしてDefault Bucket Locationから「us-west-1」を選びます。 Mountain DuckのOpen Connection…より新しい接続を作成します。 種類は「Amazon S3」を選択します。このServerには「s3.us-west-1.wasabisys.com」と入力します。サーバー毎に設定が異なるので注意して下さい。各リージョンとServerは次のように紐付いています。
  • us-east-1: s3.wasabisys.com
  • us-west-1: s3.us-west-1.wasabisys.com
  • eu-central-1: s3.eu-central-1.wasabisys.com
「Access Key ID」と「Secret Access Key」は、それぞれwasabiのコンソール画面で取得した「Access Key」と「Secret Key」になります。Pathにはバケット名を設定します。今回の場合は「/gb-test」です。設定が正しければ、次のようにネットワークディスクとして追加されます。

まとめ

wasabiは新しいサービスですので、商用サービス向けへの利用はまだまだ心配な点があります。しかし、これまでの歴史の反省が活かされているサービスだと思うので、しばらくは個人レベルで利用し動向を探りたいと思います。
» エンジニア登録はこちら